ママは半導体のメモリーにかなり興味を抱いたようです。
そうこうしているうちに開店の時刻が迫ってきました。
「カラン、コロン」
前回はセンスアンプに関して、少しだけ触れました。今回はその詳細に迫っていきます。
センスアンプとは
まずDRAMについて再度確認していきます。読み取り時にはトランジスタが導通し、コンデンサの電荷はビット線に放出されます。
ビット線上にでてくる電位はビット線容量(寄生容量)の影響を受けるため、コンデンサから出てきた電荷よりもわずかに大きくなります。
ビット線の延長線上にセンスアンプの回路があります。上図はセンスアンプの回路図です。NMOSは三つともに「OFF」の状態です。今、Sの電位Ⅴsがビット線電位よりもわずかに高い状態になっていると考えます。
ビット線およびダミービット線の最初の電位は、Vddの半分の電位で、VdとVbは同じ電位になっています。これをプリチャージといいます。
ワード線に電気が流れると、DRAMのキャパシタから電荷がビット線上に現れます。するとわずかにVbがVdよりも高くなります。
ワード線の電位上昇に少し遅れて、センスイネーブル信号(SE)が少しずつ上がっていきます。この動きはアナログ的です。
NMOS1が「ON」になるので、Vsの電位が下がります。また、ビット線とつながっているNMOS2が「ON」になっていきますが、ダミービット線につながっているNMOS3は「ON」になりません。
ダミービット線の電位VdはNMOS2によって下がっていきます。これにより、VdとVbの差は広がっていきます。(Vbは変化しないためです)
上部のPMOSについても同じことが言えます。センスイネーブル信号が出ていなければ、PMOS1が導通します。PMOS2は導通しますが、今ビット線の電位がわずかに高いのでPMOS3は導通しません。これによりVdとVbの電位差が拡大します。
このように小さな電荷を増幅して、蓄積された電荷を検知します。
まとめ
さて、今回のDRAMですが、人にたとえるとどう考えればわかりやすいでしょうか?ワード線は何かのきっかけと考えると、ビット線はそれによって不満や希望といったものがたまって、さらに次のきっかけで解放したり、またため込んだり・・・。
DRAMの動作がまるで人の日常のようにも思えます。そしてセンスアンプがそれを他の人に伝えるために存在する大事な働きのような気がします。
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